学校訪問

『リケジョ』なんて吹き飛ばせ!~県立大宮科学技術高校(仮称)を訪ねて~

久しぶりにテンションの上がる高校説明会だった。
昨年の県立浦和高校の公開授業のときと同じくらいテンションが上がってしまった。

2月22日に開催された、埼玉県立大宮科学技術高等学校(仮称)の1、2年生対象説明会に参加してきた。
県立大宮科学技術高校は、現在の大宮工業高校と浦和工業高校が統合されて、令和8年4月に開校となる新校だ。
そのまま大宮工業高校の所在地に現在の校舎をリフォームしたり新築したりしてスタートする。

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ニューシャトル今羽駅から徒歩15分くらい?今羽はコンバと読む。

どんな学校なのかを言い表すなら、
「工業高校だろ?と侮るなかれ。」
という感じだ。
「工業高校と工業高校が統合されるのだから、新しい工業高校ができるのだろう。」
実を言うと私も、そんなつもりで話を聞きにうかがった。


会場は4階の視聴覚室。50組93名が参加していた。
予約制ではなかったため事前に人数把握ができず、学校側の予想をはるかに超える人数の参加だったようだ。
視聴覚室はほぼ満席、別の教室も使用して配信で説明会をしないといけないかもしれない、と開会前はちょっとバタついていたが、何とか視聴覚室に収まった。
これは嬉しい悲鳴だ。
50組のうち6組が小学生で、正確に数えたわけではないが2~3割くらい、女子生徒が参加していた。
塾関係者や中学校の先生も何人か参加されていた。
先ず参加者の多さに驚かされた。
つまり注目度が高いということだ。

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続々と集まる参加者。女子生徒の姿もちらほら。

学校のコンセプトは「大学進学を目指し、大学進学後も活躍できる力を育成する学校」。
従来の工業高校の、それこそステロタイプな「いろいろな資格を取得して卒業後は就職する生徒が殆ど」というイメージとはかけ離れたコンセプトだ。
実際、現・大宮工業高校の山崎正義校長は、冒頭の挨拶で「新校は勉強する学校です。」と仰っていたし、開会前に配布された資料に目を通しているときも、説明会中のカリキュラム案の説明でも、進学をメインに据えているということが良く分かった。
例えば数学。
数学Ⅲや数学Cまで勉強するの?!
と驚いた。

3年次のコース編成も工業らしくない。
 Ⅰ類型=国立の4年制大学を目指す
 Ⅱ類型=難関私大を目指す

おいおい。
これ、工業高校じゃないじゃん!w

そして面白いのは、
 Ⅲ類型=文系大学・就職を目指す

就職は分かる。
でも文系?!

会の終了後に説明をされていた先生にお話をうかがうと、
「現在でも、工業系は適性が合っていなかったと言う生徒がいる。
 そういう生徒のためのコースだ。」
とのことで、入学後に「自分は理系じゃなかった。苦手だ。」という生徒にもちゃんと配慮し、手を差し伸べていることがうかがえる。

極めつけは学科・コース編成の特異さ。
全部で5学科10コースからなる。
 ・情報サイエンス科
   システムデザインコース/情報デザインコース
 ・機械工学科
   エアロスペースコース/プロダクトデザインコース
 ・電気工学科
   パワーグリッドコース/エネルギープロダクトコース
 ・ロボット工学科
   ロボットソリューションコース/ロボットクリエイティブコース
 ・建築デザイン工学科
   ビルドデザインコース/インテリアデザインコース
学科とコースの詳細な学習内容は割愛するが、何て楽しそうなラインナップ!w
校名に『高専』って付かない高専?
いやいや、学科とコースの名前だけ見たら最早これは理工系大学だ。
因みに機械科、電気科ではなく機械工学科、電気工学科のように『工学』を付けたのは、「より深い理論的な勉強をしていくため」だそうだ。
資格取得もできるのだろうが、それだけではない、もっと突っ込んだことを勉強するよということだ。
開校後はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の認定を文科省から受けるべく動いていくとのこと。
認定されれば、専門学科としては県内では初となる。

ほら。
工業高校だろ?って侮ってると度肝を抜かれる。
工業高校とは違う、今までになかったような新しい高校ができる。
この学校が上手く回り出したらすごいこと、面白いことになりそうだなあ。


いやあ、本当に楽しい説明会だった。
お話しされた先生が上手かったというのもあるが、きっと、新校のスタートへ向けて、先生方お一人お一人が楽しんでいらっしゃるからって言うのが大きなの要因なんだろうな。
聞いているこっちまで楽しくなって、1時間半弱の説明会があっという間だった。


あとは女子生徒をどれだけ集められるか。
リケジョ(理系女子)なんて言葉は、理系に女子が在籍しているのは珍しいっていうイメージから生まれたんだろうけど。
理工系高校に女子生徒が普通にいて、リケジョなんて言葉が吹き飛ぶくらい日常の風景になったら。
きっと、さらに活気あふれる面白い学校になるに違いない。


次回の県立大宮科学技術高校(仮称)の説明会は3月22日です。


なお。
県立大宮科学技術高校の略称は「Omiya」と「Science」と「Technology」の頭文字をとって、『OST(オスト)』を希望、とのことです。
とある先生が説明会中に話していらっしゃいました。
OSTにはドイツ語で日が昇る方角の『東』という意味があるそうです。



(*´-`) .。oO(個人的には浦和工業みも残して、さいたま科学技術高校でもよかった気がする。

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大宮駅にある全国植樹祭のカウントダウンボード。組子細工は大宮工業の建築科の作。

後悔しない選択。~県立春日部高校を訪ねて~

今日は埼玉県立春日部高等学校の中学1・2年生等向け学校説明会へ参加した。
「等」の部分での参加だ。w
会に先立って、授業見学や施設見学ができたため、早めにうかがった。
以前、授業公開日にもうかがったことがあるが、学校に入ったとたんに以前とは違う光景を目にした。

授業見学をしている中学生と保護者の方の人数が多い。
参加人数をうかがったところ、学校見学は把握していないが、説明会には140組約280名の申し込みがあったとのこと。
そのうちの約2割が中学1年生だそうだ。
この時期なのに注目度が高い。


授業は相変わらず興味深い。
先生方の進行のテンポは良いし、生徒さんたちの反応も良い。
話し合いの時間でわーっと盛り上がり、先生の「はい、いくよ。」の声で、ぴたっと静かになる。
切り替えの早さも見学していて心地よい。
進学校の特徴だと思う。

説明会では、学校の概要や入試などの説明、PTAの保護者の方のお話と、最後にちょっとしたサプライズ?もあり、内容としては盛りだくさんだった。
お話の中で、
「春日部高校の入試選抜は『学力検査重視』です。」
ということが繰り返し出てきたが、これは、学力検査(=実際の入試)だけ頑張って良い点数をとれば良い、ということではない。
あくまでも評定点(=内申点/学校の成績)がしっかりととれていることが大前提。
そこのところ勘違いしないようにして欲しい。
という注釈を入れておきます。

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説明会会場。すげーホール。この時期の説明会なのに参加者も多い。

特に印象的だったのは、入試についての説明をされた教頭先生の言葉。

「学校を選択するということは、あなたが3年間学ぶ場所を選ぶということ。
 あなたたち自身の3年間を決めるということ。
 後悔しない選択をしてください。」


進路選択に向けた動きは、間違いなく年々早まっている。
今日、会場に来ていた生徒さんたちは、後悔しない進路選択へ向けて動き始めた生徒さんたちだ。


さあ。
今年も始まるよ。

(*´-`) .。oO(まだ、今の中3の入試も終わってないんだけどね。w


そういえば、今日は図書室(図書館)の見学もすることができ、司書の方といろいろとお話をさせていただくことができた。

いやあ!
とても素敵な司書さんだったなあ!

今日はたまたまお着物をお召しだったのだが、古代朱?というのだろうか、素敵な色味で、とてもおしゃれだった。
お話をさせていただいて、本がとてもお好きだということ、お仕事に誇りを持っていらっしゃるということ、そして何より、生徒さんたちの学びを影日向から支えていらっしゃるということがとてもよく伝わった。
本当に良い学校って、先生方だけでなく、司書さんや食堂スタッフの方などの職員さんも、生徒さんのことを気にかけて、みんなで見守っていらっしゃるように思う。

うん。
県立春日部高校。
良い学校です。


帰り際に司書さんにご挨拶をと思ったのだが、お会いすること叶わず、だった。
いろいろとお話を聞かせていただきありがとうございました。


校内写真を少し。

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校舎外観。窓が大きくて校舎内は明るい。

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廊下には自習できるスペースが。
その他にも自習室40席、図書館に80席の自習スペースがある。


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校舎は口の字型の回廊。中央の円柱形が図書館。

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あ。これ、欲しいやつ。w

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学部生のときに読んだな、って本がたくさんあった。
右下に高木貞治著の解析概論があるの、シビレル。w


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一日中居ても飽きなさそうな本のラインナップだった。

巨象のホンキ。~浦和学院高校新施設内覧にうかがって~

本日2/5、さいたま市緑区にある浦和学院高等学校の新施設、大宮学習センターの内覧へうかがった。
その名の通り大宮にある、校外の学習・自習スペースだ。

大宮駅西口を出て連絡通路を左方向、SMBC証券の向かって右脇の階段を降り、まっすぐ3分ほど進んだところにある。
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アニメイトさんのお隣だ。
周りは予備校なども多く、駅チカで立地は大変に良い。

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まだ養生がしてあった。

学習スペースとして使用できるのは1・6・7階で、8階は屋上スペースで勉強の合間の憩いの空間となっている。
室内は、コンクリート打ちっぱなしとガラス張りのとても明るい作りとなっていて、夜には大宮の夜景が一望…はできなさそうだが、眺望は良さそうだ。

6・7階部分には、50~60人が入れる多目的室が2部屋と30名程度が入れる自習室が2部屋あり、自習室は個別ブースの机が設置されている。
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個別ブースには手元のライトやコンセントはもちろん、Wi-Fiも完備されていて、学校で貸与されているノートPCを持ち込んでの学習も捗りそうだ。
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各椅子の下には荷物を置けるスペースもあり、座り心地も良かった。
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各部屋とも大型モニターが設置してあり、オンラインでの講義などにも活躍しそうだ。
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先生方の控室もあり、数名の先生は常駐する予定とのこと。
それはありがたい。
また、各自のPCを使ってオンラインで先生方に質問を飛ばすこともできるそうだ。

自習室からはこんな景色も。
新幹線の線路。近!
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鉄道ファン垂涎の眺め。

8階の屋上はこんな感じ。
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今の時期は寒いけれど、少し暖かくなったら気持ちよさそう。
テーブルや椅子、ベンチもあった。
勉強の合間に息抜きをしたり食事をしたりもできそうだ。
写真は撮り忘れたがカメラも設置されており、安全対策もばっちり。
因みに屋上からも新幹線の線路が見える。
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鉄道ファン垂z(略


駅チカ(しかもターミナル駅)で夜遅くまで学習ができる空間。
これは生徒さんたちにとってはありがたい施設になるのではないだろうか。
ただ一つ気になったのは、大宮ルートで通学する生徒さんたちにとっては便利だが、東川口ルートで通学している生徒さんにとってはちょっと不便だという点。
わざわざ大宮まで出てくる必要があるし、定期券の圏外だとしたら電車賃がかかる。
もちろん、長期の休暇中などに利用するというのもアリだとは思うが。

うーん。
東川口の駅前にも、ぜひ!w



施設を見学させていただきながら、いろいろなお話をうかがうことができた。
高校のこと、中学のこと、学園のこと…などなど。
浦和学院は1学年1000人弱を有する、言わずと知れたマンモス校だ。
おそらく生徒募集に関しては安泰だろう、、と思う。
だから、
「募集に困っていない=現状維持な学校」
だと勝手に思っていた。
今にして思えば実に浅はかだ。
絶対にそんなことはないのに。あるはずないのに。

中学校の開校や、今回の学習センターの開設、それから広がるであろう今後の展望。
大きい学校だから考えなければいけないことがあって、大きい学校だからできることがあって。
人気に胡坐をかかず、生徒さんたちのためにより良い教育環境やシステムを追い求め、進み続ける。

今日の施設見学で、マンモス校の本気を垣間見させていただいたような気がした。
そりゃ、人気校であり続けられるわけだ。



施設を案内してくださった職員の皆さん。
いろいろと貴重なお話を聞かせてくださった先生方。
本当にありがとうございました。

異質な本質。~県立浦和高校を訪ねて(土曜公開授業)~

正直なところ,教室に戻って数時間が立つが,脳内で今日のことが処理しきれていない。
そのくらい情報量が多く,刺激的で,かつ楽しい出来事だった。

6月22日に開催された,県立浦和高等学校の土曜公開授業+ミニ説明会へうかがった。
本来は,生徒保護者向けのイベントだが塾の先生も参加できるとのことだったのと,教育ジャーナリストの梅野弘之先生(浦高卒業生)に「浦高の授業は一度見ておくといいぞ。」とすすめていただいていたため,ちょうど時間も作れたので,うかがった次第。
見学後,興奮のあまり土曜日なのに梅野先生に電話までかけてしまった。w
そのくらい,楽しかった。(陳腐な感想ですみません。)

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授業は進み方が早い。生徒さんたちは当然のようにその授業に食らいついている。
ゴリゴリと板書している先生も少なかった。最小限の板書で解説や発問をする。
とにかくテンポが良い。
発問も,当てられた生徒だけが考えているのではなく,隣同士の生徒がこそこそっと答えを言い合ったり,分からない生徒が近くの生徒に質問していたり。
そんな光景が教室のあちこちで見られる。
先生が投げた質問に誤答した生徒に対して,別の生徒が正しい答えと「△△だから○○なんだよ。」と解説までしていたり。

特にすごいなと思ったのは,授業に向かうときのメリハリだ。
先生が授業に入るのに,前説をしないのだ。
「いやぁ,先生昨日さぁ…」とか「この間,電車に乗ってたらな…」みたいな部分がない。
何なら,「今日どこからだっけ?」みたいなのもなかった。
授業時間前に先生は教室に来ていて,チャイム・号令が済むと,スッと授業に入っていく。
だからと言っておとなしいだけの授業ではない。
先に挙げたような光景も見られたし,ワッと盛り上がって笑い声が上がることもある。
何なら,その笑い声はむしろうるさいくらいだ。w
だが,それが後を引かない。
普通の感覚なら,そのあと少し盛り上がらせておいてから「さ,授業戻るぞ。」となるところだが,そんなのもない。
これまた当然のように,そのまま授業に戻っていく。

ONのときの集中力というか真剣さがものすごい。
授業に熱量は当然だが,緊張感があった。
私が見た授業がそうだっただけなのかもしれないが,いくつかの授業でそうだったんだからそういう授業が多いのだろうと思う。


休み時間の光景にも驚いた。
体育戻りの生徒が,上半身裸でうろついているのだ。w
それも,一人二人じゃない。
なかなかの人数が上裸だった。w
休み時間の廊下もかなり騒がしい。ギャーギャーしている。
おいおい,さっきの授業は何だったんだ?と思うくらいには騒がしい。

え?今日,公開授業だよね?
どういう学校なの,ここ。w
今までに見たことないような学校なのは確かだ。


生徒さんたちの様子を見ていて分かった。
彼らにとって,公開日だろうが何だろうが,ただの日常なのだ。
誰が廊下をうろついていようが,授業を覗いてこようが,そんなことは彼らにとって関係ない。
そこには,いつもの土曜日のいつもの時間が流れているだけなのだと思った。
我々見学者は,見えていないのだ。w
そういえば,廊下で生徒さんたちとすれ違っても「こんにちは。」とか声かけられなかったな。
たまに霊感の強い生徒さんが「ンちは。」と,ごく短く声をかけてくれたが。
…キミ,私が見えるのか!?という気持ちになった。

どこの学校に行っても「ふむ,生徒さんたちはちゃんと挨拶してくれるかな?」などと上段に構えているが,浦高はそんな次元にはいない。そんなことはどうだっていいのだ,きっと。
なるほど。
浦高生は「フツー」の感覚じゃないのだ。

面白いなあ。


失礼ながら,先生方も,もしかしたらフツーじゃないのかもしれない。
ミニ説明会の際に山盛教頭がお話しされていたが,学校行事であるサッカー大会やラグビー大会,綱引き大会など,先生方も教員チームを作って参加されるそうで,ラグビーや綱引きは教員チームが優勝の常連だそうだ。
…ん?ww
先生方,本気じゃん。w
本気と書いてマジと読むっていうやつじゃん。
ラグビーや綱引きに関しては「(教員チームが優勝する理由として)体重の差もあると思います。」と山盛教頭。
いやいや,そういうことじゃなくて。w

面白すぎる。


生徒さんたちも先生方も本気でぶつかり合っているのだ。運動にしろ,勉強にしろ。
先生方が本気で来るから行事にも手を抜かない。
生徒さんたちが本気で向き合っているから先生方も本気でそれに応え,授業に緊張感が生まれる。
日々が真剣勝負なんだろう。

真剣勝負でぶつかり合うから,そこに本当に強い信頼関係が出来上がるのだろう。


そういえば。
山盛教頭の説明会での語り口に,他の学校の説明会にはない,なんだか妙な感じがした。
雨天だった体育祭(雨天決行の法則というのがあるそうで雨天の中実施された)で,どろどろの校庭で準備運動として腹筋をしていた話。
新入生歓迎マラソン大会のどこが新入生歓迎なんだという話。などなど。
そんなお話をされている山盛先生の口調の端々に
「やれやれ。まったくこの子たちは。」
みたいな,『あきれ』ではない,どこか優しい雰囲気を感じた。

と書いてて,今ふと気が付いたのだが。
もしかしたらそれって,「お母さん」的な感覚なんじゃないだろうか。(山盛先生は女性です。)
先生方が年の離れた兄姉だったり,父母だったり,おじいちゃんおばあちゃんだったり。
先生方が先生然としていなくて,生徒さんたちが好き勝手やっている(ホント,好き勝手やってる感じがしたw)のを,後ろから見守っているような感じ。
強い信頼関係が,もしかしたらそういう関係性を作っているんだろう。

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見学させていただいて,本当に良かった。
こんなに面白い学校だとは思わなかった。

確かに学校としては異質なのかもしれない。
だけど,それが学校の本質なんじゃないだろうか。

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(*´-`) .。oO(共学にもしなったとしたらこの異質さは失われてしまうんじゃ?
(*´-`) .。oO(それならこのままで良いんじゃなかろうか。という独り言。

撫子の凛々しさ。~県立久喜高校を訪ねて~

6/13に実施された埼玉県立久喜高等学校のジュクセツにうかがった。
埼玉県立久喜高等学校は,JR宇都宮線・東武伊勢崎線久喜駅西口から徒歩15分程度のところにある女子高だ。
昨今,世間を賑わせている男女別学の,106年もの伝統を持つ県立高校である。
もともとは久喜町外15ヶ町村学校組合立久喜実科高等女学校として開校した。
「組合立」!初めて聞いた。w
公務員ランナーとして名を馳せた川内優輝選手の勤務先(事務職員)だったことでも有名だ。
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さて。
かつてのウチの塾生さんの話。
中3の夏休み前の三者面談で
「アタシ,○んでも女子高だけは嫌だ。女子高行くくらいなら中卒で良い。」
と言っていた生徒さんがいた。
秋口に友達に無理やり連れられ,某女子高(ごめん。久喜ではないです。)の文化祭に行った。
帰り道,
「ごめん,アタシ塾に寄って行くから。」
と友達と別れ,教室に顔を出した。
私の顔を見るなり,開口一番,
「アタシ,○○女子に行くわ。」
と,言った。
「行こうかな」でも「行きたい」でもなく,「行く」と断言した。
その段階で偏差値は届いていなかったが最後まで努力し,有言実行して見せてくれた。
とっくに社会人になっているが,今もたまに連絡をくれて,高校時代の友人たちと旅行に行った話を聞かせてくれる。
そこまで極端なことを言っていた生徒さんはその子だけだが,女子高を嫌がっている生徒さんほど女子高に進学するから面白い。w
そういう生徒さんが何人もいた。


久喜高校のジュクセツで,とある先生(男性)がこんなことを仰った。
「女子しかいない環境だからこそみんなで『共感』できることがあるんです。前髪が決まると,その日一日幸せ,とか。みんなでお菓子を食べながら「あー,痩せたい!」とか。私には,昨日と変わってないように見えるし,痩せたいならその手を止めれば?と思うことなんだけど,みんなで「わかるー!」って盛り上がっている。」
女子しかいない環境だからこそ曝け出せる感情があるし,ひいては自分自身を曝け出すことができる。
久喜高校への訪問で,かつての塾生さんたちが女子高に惹かれた理由が少し分かった気がする。

校内はちょっと古臭いが,それでもとても大切に使われており,明るく清潔感がある。
プロジェクターはもちろん,全教室に電子黒板が導入されている。
写真には撮り忘れたが,教室の柱や壁に鏡が掛けられているのは,何とも女子高っぽい。

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なんだかドアが低い気がする。モデルは埜口義塾の赤井先生。身長198cm。うそ。
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電子黒板だが,埼玉県が導入しているクラウドファンディングっぽい仕組みの「埼玉県教育環境整備基金」で資金を募った。
そうしたところ,OGの方から多額の寄付があり,全額,資金調達ができたそうだ。
また,体育祭では昭和の時代から続く『旗体操』という演目を高1が披露するが,見学にいらっしゃった御年92歳のOGの方が踊っていらっしゃったとか。
伝統校の繋がりや絆の強さ,深さを感じる。
創立数十年の学校にはなかなか真似できないかもしれない。

進路についてはまだまだ発展途上,「もっとイケるだろ,久喜高」と思うが,それでも,4年制大学・短期大学合わせて67.7%の生徒が進学していて,医療系の専門学校への進学者も多い。
進学先の学校名に派手さはないが,堅実に確実に進学実績を伸ばしてきている。
女子高というと,医療系や保育系の進学が多いイメージだが,理学系や理工学系へ進学する生徒さんも増えてきているそうだ。
今後の進学実績の伸びが楽しみだ。


説明会後,募集担当の掛田教諭にこんな質問をぶつけてみた。
「久喜高校の売りは何ですか?」
間を置かず,力強くお答えいただいた。
「生徒です。」

廊下ですれ違う生徒さんたちの殆どが,足をピッと止め,
「こんにちは!」
と頭を下げて挨拶をしてくれる。
急いでいる生徒さん(ちょうど歯科検診の日だったのよ。w)も,足は止めないにしてもちゃんと挨拶をしてくれる。
こちらまで,気持ちがシャンとした。
挨拶をしてくれる生徒さんがいる学校は多いが,足を止めて尚且つ頭まで下げてくれる生徒さんがこんなにいる学校は少ない。

久喜高校は『不易流行』を大切にしている。特に,不易=伝統の「なでしこの心」。
久喜高校の校章のモチーフとなっている「なでしこ」は淡いピンク色を帯びた優しい花だが生命力の強さを持ち合わせている。
優しい色合いで凛々しく咲くなでしこの,「思いやりや優しさ」と「何事にも挫けない生命力の強さ」を生徒さんたちから感じることができた。

素敵な生徒さんたちだったなあ。
確かに「売りは生徒」さんたちですね。

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(*´-`) .。oO(図書室のラインナップも面白い。赤井先生見切れてますけど気にしないで。w
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(*´-`) .。oO(細かいところに女子感がある。って言うと,どこかの団体から怒られるのか?w
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(*´-`) .。oO(顔が良い本,っていうのは新しい視点だった。司書さんもとても気さくな方でした。



そういえば最初に書いた,かつてのウチの生徒さんが高校生のときに面白いことを言っていた。
「女子ってね,男子がいないと案外ドロドロしないんだよ。w」

…なるほど。w
プロフィール

教学館

埼玉県越谷市北部にある学習・進学塾【教学館】のブログです。
日々の出来事からお知らせまで,徒然なるままに書き連ねて行きます。
なお,入塾等のお問い合わせはホームページからお願いいたします。
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