1学期最後の塾対象説明会は公立高校となった。
今日は,埼玉県立川口北高等学校へとお邪魔した。
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県立川口北高校は,JR武蔵野線東浦和駅から徒歩16分のところにある。
実際に徒歩で来られた先生は
「30分まではかからないけど,20分ちょっとかかるかな。」
と仰っていた。
(私は車で行き,近くのコインパーキングに駐車した。暑かったんだもの。)
先日の岩槻高校と違い,バス通学という選択肢がないため,ちょっと遠い印象。

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入り口にはこんなお気遣いが。

会場へ入り受付を済ませると,冷たいドリンクをいただいた。
今日も昨日に引き続き一際暑い。
とてもありがたかった。
…利益供与だ,とかナンセンスなこと言わないでね。

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お気遣いがとても有難かったです。


「部活も勉強も頑張りたいという生徒が集まる。」
と高松校長のお話にもあったとおり,部活では陸上競技部が400mハードルでインターハイ出場を決めたり,関東大会や県大会へ出場する運動部が多い。
今回学校へうかがうまで『スポーツ・部活が盛んな学校』という勝手なイメージを持っていた程だ。
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勉強面では,7年連続で国公立大の合格者数が50名を超え,昨年は過去最多となる68名(既卒者を含めれば75名)が国公立大の合格を手にしている。
ボリュームゾーンは埼玉大と埼玉県立大。
もちろん私立も,早慶上理に41名・GMARCHに200名の合格者(現役)を出している。
殆どが一般入試での合格で,指定校利用はすべての合格者のうち20名だそうだ。
また,既卒者を含めた合格実績と現役生の合格実績の差はわずかで,現役生で確実に結果が出ている学校のようだ。
現役合格率93.2%という数字からも,結果が出ていると分かる。

部活にせよ勉強にせよ結果が出てきているのは,カリキュラムポリシーにあった『一人一人を大切にする取り組み』の賜物ではないかと思う。
三者面談,二者面談,更には校長自らが全校生徒と面談をする校長面談もある。
そういったアナログな部分にICTを融合させ『個別最適な環境作り』に取り組んでいる。
特にICTについては,他の県立高校に先駆け,昨年度から入学生全員にiPadを持たせ,アプリを入れて授業で活用している。
しかし,先生方が使えないのでは意味がない。
川北はその心配はなさそうだ。
先生方も全員iPadを持ち,例えば職員会議などでも活用しているそうだ。
「ICT先進校と言っても良いのではないか。」
と教頭も仰っていたが,確かに私立高校並みに進んでいると感じた。
実際に,授業でも活用されていた。

また,来年度の高3から文系,理系に,文理融合型という類型を加えた3つのコースに分かれるそうだ。
教頭は
「これからの時代に向けての取り組み」
と仰っていたが,早い話,多様な入試方式に対応するためだそうだ。
実際問題,社会に出てしまえば「文系だからできません」「理系だからわかりません」みたいな言い訳が通用するはずもなく,文系理系問わず,幅広い知識が必要となってくる。
単に入試方式や選択する受験科目の選択肢を広げるためだけではなく,「これからの時代のニーズに合わせた取り組み」と言えると思う。

3年間を通じて行われる,自律学習を促すための取り組みである,自学自習オリエンテーションも面白い。
高1の4月には『学習の黄金サイクル』(予習・授業・復習)の大切さを,高2の3月には計画を立てそれを実践する姿勢を,そして高3の7月には生徒同士が学び合いを行うことで『受験は団体戦』であることを知り,それを自分の学習に活かす態勢を,それぞれ身につけていく。
ちょうど高3が自学自習オリエンテーションの真っ最中だった。
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教室を見学させていただいたが,敢えて監督の先生を置かず,生徒たちの自主性に任せた自習を行っていた。
どのクラスも立ち歩いたりガヤガヤとしゃべったり,居眠りしたりという生徒は居らず,ある種の緊張感を持ってびしっと学習に取り組んでいた。
すげえな。w

生徒さんたちの姿でもう一つ驚いたのは,反応の速さ。
授業を見学させていただいているときに,先生からの説明の後の
「はい,それじゃ班で話し合って。」
という指示に,パッと反応し,隣や後に身体を向けて話し合いが始まっていた。
先生の説明のメモをとっていた生徒はそれを見ながら意見を出したり。
活気に溢れているという感じではないけれど,派手さのない躍動感があった。
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現役合格率の高さも頷ける。
だからと言って,管理され締めつけられているような息苦しさは感じない。
成果を出さなければと力が入ってしまっている感もなかった。
校長が仰っていた「部活も勉強も頑張りたい生徒が集まる」ということは,つまり「部活も勉強も頑張れる環境がある」ということなのだろう。

これが,県立の進学校か。


以前,卒塾生がお世話になっていたことがある。
大学を出てこの春から社会人になった年代だ。
高校に行っても中学時代と変わらず,彼女が活き活きと溌溂と日々を過ごしていた理由が分かった。
学校自体がとても伸び伸びとして活気に満ち溢れていた。
また一つ,ワクワクする学校に巡り合えた。

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校舎外観。それにしても今日も暑かった。
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消灯されていることを考えれば,まあ明るい廊下だと思う。
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渡り廊下に設置された課題の提出場所。偉いな。みんなちゃんと提出してるようだ。

今年,創立50年を迎えるそうだ。
制服が新しくなる。
男子はブレザーか学ランが選べるらしい。
しかも学ランは特に指定はないので,中学のを着てもいいとのこと。
おもしろい。
「他校と比べて情報発信力が劣っている」
と校長も仰っていた。(もろもろ準備中とのこと。)
気になる方はホームページをご覧くださいね。


お忙しい中,貴重な機会を設けてくださった,川口北高校の先生方,ありがとうございました。
見学をしたクラスの高校生の皆さん,お邪魔しました。