ちょびっと出遅れた感はあるけれども,先日,
『埼玉県公立高校入試 第2回進路希望調査』
の調査結果が発表になった。


きっと皆さん確認済みだと思うが,
「志望校の倍率はどうだろう。」
というところが一番関心があるところではないだろうか。
というか,きっとこの調査ではそこしか関心がないのかも。

昨年度の同じ調査と確定倍率(入試時の倍率)を比べると,
例えば越ヶ谷高校では,
 2回調査時2.02⇒確定1.49
と実際の出願時には大幅に倍率が下がっている。
高い倍率を見て別の学校に変えた生徒がいたということだ。
また,越谷東高校では,
 2回調査時0.98⇒確定1.08
と定員割れ(倍率が1倍を下回ること)だったのに
蓋を開けたら倍率が1倍を超えていた。
こちらは逆に,定員割れを見て他から流れてきた生徒がいた
または,諦めていた生徒がやっぱり受ける,となったということ。

ちょっと越高の例は極端だけれど,
まだ僅かに,倍率には変動があるということだ。
確かに,公立志向がまだまだ強い埼玉なので,
「何としてもとにかく公立へ!」という考えがあるのも分かる。

ただ,それでいいの?と思うところがある。

「倍率が高いから(アンパイそうな)こっちの高校にしよう。」
「(定員が)割れてるからあっちの高校に変えよう。」
本当にそれで良いのだろうか。
いろいろな学校を見に行って,話を聞いて,説明会に参加して,
悩んで悩んで,もしかしたら保護者の方と喧嘩したりして,
「ここが良い!」と決めた志望校だろう。
どこでも良いや,なんて決めてはいないだろう。
それを12月の時点の調査(の倍率)を見て,
あっさり諦めてしまって良いのかな,と思う。
(もちろん,確定倍率はそういう子だけじゃないのは分かってます。)

今この時点で,この発表を見て,
志望校を下げてしまう(とはっきり言ってしまいますね)と,
確実に気は抜けてしまう。気が抜ければ気が緩む。
そして併せて,私立単願組はもうあと数週間で受験が終わるから,
ますます気持ちが勉強へ向かなくなってしまう。
(※私立単願組は「その先の自分のための勉強」を始めようね。)

それで,本当に良いのだろうか。


公立入試まではまだ1ヶ月半ある。
受験生になりたての頃は1年近くあったのに,
残り1ヶ月半というと,途轍もなく短いように感じて,
もう何をしても変わらないような感じを受けるのではないだろうか。
でも,それは違う。
まだまだ伸びるし,結果を変えることもできる。
土壇場で急激に伸びて,合格を手にしたコを何人も見てきた。
中には,最後の模試(当時は1月上旬だった)の結果で
志望校に要検討が付いたのに,入試では合格をしたコもいた。

ただし,全員に共通して言えるのは,
『最後まで諦めずに,手を止めなかった』ということ。
もちろん悩んではいただろう。というか,みんな実際に悩んでいた。
でも,手は止まらなかった。
そんな時によく言っていたのは,
「最後の最後。志願先変更期間に最後の一回,悩めば良い。」
ということ。

中学で受験を経験していないコたちにとっては,
人生で初めての大きな選択だし大きな試験だ。大袈裟ではなく。
それが目前に迫っていれば,そりゃ不安になったり逃げたくなったりする。
でも,人生で初めての大きな壁だからこそ。
最後の最後まで足掻いて,自分ができる最大限の努力をして,
挑戦してみても,ぶち当たってみても良いんじゃないだろうか。
誰の力でもない,自分の力だけで立ち向かっても良いんじゃないか。

受験も一つの経験で,そこから学ぶことは決して少なくない。
遊びたい気持ちを抑えて自分を律してやるべきことをやること,とか,
たくさん悩んで自分のこれからのことを真剣に考えること,とか,
無理かもしれないと思われる壁をぶち破る努力をし続けること,とか,
最後の最後まで諦めずに自分の力で突き進んでいくこと,とか。


受験はゴールではない,と言うことはよく言われていることだが。
いろいろなことを学び,得て,次のステップへ進むための
通過点であることは間違いない。
この通過点を有効に活用して,自分の成長に繋げていって欲しい。


倍率の変動なんかに惑わされないくらい,気持ちが揺らがないくらい,
まだまだ勉強をし続けよう。