今日はお休みをいただき,神楽坂まで出かけてきました。
高校時代の恩師,神野直邦先生の個展に伺うためでした。

東西線神楽坂駅を出て歩いて少しのところにある,
とても趣のある建物。
こちらが,個展が開かれているギャラリーです。
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↑神楽坂のAYUMI GALLERYさんです。

私は神楽坂出口から歩いたのですが,
ぼんやりしていると見落としてしまいそうなほど,
静かな佇まいでした。

こんにちは。と中に入ると,
先生は風情のある建物の中のソファーにゆったりと腰を下ろし,
お客さん(こちらも先生の教え子さん)と話をされていました。
思えば教育実習のときにお会いして以来,15年とちょっとぶりです。
退官され,自然の豊かなところにお引越しされたと年賀状で知り,
もうお会いする機会はないだろう,と淋しく感じていました。

「おー。良く来てくれたね。」
あの頃とお変わりのない,穏やかで静かな口調で声をかけてくださいました。
私は美術部でもなく,高1の美術の時間を受け持っていただいた,
それだけの繋がりでしたが,しっかりと覚えていてくださいました。
近況を少しだけお話して,作品を拝見させていただくと,
高校生の頃,何度か個展にお邪魔したときの記憶が甦りました。

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波長が合う。

そう言ってしまうと少し安っぽく聞こえてしまうのですが,
高校生の頃から,私は先生の作品が大好きで,
どの作品をとってもギャラリーと作品とが作る空間に引き込まれ,
何時間でも見ていられるような気にさえなります。

今回の作品は,ギャラリーの内観に合わせて制作されたものだそうで,
床と作品や,日の光と作品とのマッチングが
とても素敵な空間を作り上げていました。
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…案の定,長居し過ぎました。w


次から次へといらっしゃる教え子さん(皆さん美術部のよう)の応対の合間,
少しだけお話をさせていただき,そしてまた,
たくさんのことを教えていただきました。
「もともとの素材の良さをどう生かし,
 そこに自分の思いをどう乗せ,作品にするか。」
先生のカンヴァスに向き合うときのお考えだそうです。
「ゴテゴテとやり過ぎるのは良くない。足りないのもダメ。
 そこの匙加減が難しい。」
ともおっしゃっていて,まさに生徒さんとの接し方と同じだなと感じました。

ゆったりとした空間で先生の作品を拝見しながら,
いろいろなことを考え,学び,吸収することができ,
帰る頃にはとても晴れやかな気分になっていました。

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↑ビルの谷間から見える空も晴々。

ほんの少しの会話でもたくさんのことをお教えいただいた気がします。
先生からはまだまだ学びたいことがたくさんあるな,と思いました。
いつまでも背中を追える師に出会えたという幸せを
改めて噛み締めたひとときになりました。


高校生の頃の先生とのことをお話をすると,
「あの頃はまだ若くって青かったから。」と
照れくさそうに笑っていらっしゃったのが印象的でした。
でも,温かく,それでいて強靭な雰囲気はお変わりありませんでした。
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↑高校時代,最も印象に残っている恩師のお一人・神野直邦先生。

神野先生。
今日はありがとうございました。
またお会いして,たくさん勉強させてください!