3日目は戸沢村へ向かいます。

雄大な最上川と並走する形で1時間弱。
トンガリ帽子の建物のある『川の駅 最上峡・くさなぎ』を通り過ぎ,
見えてくるのは,最上川リバーポート。
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↑戸澤藩の船番所をイメージした建物です。

ここが最上川船下りの乗船場になります。
かつては俳聖・松尾芭蕉も舟で下った最上川。
『五月雨をあつめて早し最上川』
というあまりにも有名な句を残していますね。
(芭蕉と最上川の話は去年のブログを見てみてください。)

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↑山の間を雄大に流れる最上川。

最上川船下りは,リバーポートから先程通過した最上峡くさなぎまで,
約1時間の旅。
船頭さんの軽快な案内を聞きながら,気持ち良い川風に吹かれて下ります。
最上川は日本三大急流の一つに数えられるほど流れの早い川です。
(他は,熊本県の球磨(クマ)川,長野・山梨・静岡県を跨ぐ富士川です。
 三大河川(長さ)は,①信濃川,②利根川,③石狩川,
 三大河川(面積)は,①利根川,②石狩川,③信濃川,です。覚えて!w) 
川面を見るとそれほど流れは早く感じませんが,
川底付近はかなり流れが早く,大人でも足を掬われるほどだそうです。
雨が続き増水すると,日本三大急流の荒々しさを見ることができる,
とは船頭さんのお話でした。

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↑こんなに穏やかなのに,三大急流。
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↑こんなに長閑なのに,三大急流。
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↑この白波は,さすが三大急流。
※最上川を馬鹿にしているわけではありません。

最上川は山形・新潟・福島の県境にある吾妻山を水源として,
山形県のほぼ中央を北に向かって流れ,新庄市付近で西に向きを変え,
庄内平野を流れ,酒田市で日本海に流れ込みます。
面白いのは,上流の米沢盆地,中流の山形盆地,下流の庄内平野の
いずれもが古くから稲作が盛んにおこなわれていたということ。
灌漑水路として,最上川は大きな役割を担ってきたんですね。

そしてもう一つが水運。
上流の最上地方から庄内平野・酒田へは米,小豆,大豆,漆,紅花などが,
逆に酒田から上流へは塩,魚,茶などが運ばれました。
酒田から関西を通り江戸へとつながる西廻り航路が開通したこともあり,
山形の経済的・文化的な発展にも大きな影響を与えたようです。
実際,内陸部でも山間部の盆地でも,米沢,寒河江,山形,天童など
拓けたところが多いように感じます。

最上川は「山形の母なる川」なんですね。

そして,山形県民なら誰もが歌える?ソウルソング。
『最上川舟歌』
という民謡もあります。
これは,内陸部から庄内平野へと荷物を運ぶ船頭さんたちの歌なんです。

♪ヨーイサノマガショ エンヤコラマカセ
 エーエンヤーエーエエンヤーエーエエ エーエエンヤーエード
 ヨーイサノマガショ エンヤコラマカセ
 酒田さ行ぐさげ 達者(まめ)でろちゃ ヨイトコラサノセー 
 流行風邪など ひかねよに
 エーエンヤーエーエエンヤーエーエエ エーエエンヤーエード
 ヨーイサノマガショ エンヤコラマカセ
 股(まっかん)大根(だいご)の塩汁煮(しょっしるに
 塩しょっぱくて喰らわんねっちゃ
 エーエエンヤーエーエエ エーエエンヤーエード
 ヨーイサノマガショ エンヤコラマカセ


↑船下りの船頭さんによる『最上川舟歌』

最上川には,碁点,隼,三ヶ瀬と呼ばれる,船下りの難所があります。
松尾芭蕉も奥の細道で,
「最上川は、みちのくより出て、山形を水上とす。
 ごてん・はやぶさなどと云おそろしき難所有。
 板敷山の北を流て、果は酒田の海に入。」
と記しています。
今はエンジン付きの船で下っていますが,
昔の木舟での最上川下りは,まさに命がけだったんでしょうね。
そんな船頭さんたちの魂の叫びがこの舟歌なんでしょう。

歌詞に,
「あの娘のためでなかったら船乗りにはならなかった」
「碁点,隼,三ヶ瀬も無事に下ったと伝えてくれ」
なんて部分も出てくることからもうかがえますね。

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↑下船場近くの,有名な白糸の滝。

さて,船下りを終え昼食をとったあと,
根岸先生とはお別れとなりました。
最寄りの陸羽西線の高屋駅までお見送り。
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↑なんとも可愛らしい駅です。
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↑旅情をそそられますね。

根岸先生は
「また来年も絶対来るから!」
と言い残し帰っていきました。w
根岸先生,まだ来でのー(また来てねー)。
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私たち(私と母)はそのまま酒田に戻り,ペットホテルにいる犬たちを回収。
酒田でもう1泊して帰宅の途に就きました。
…台風に突っ込む形で!w
途中,佐野付近で恐怖を感じるぐらいの雨に襲われました。
合宿も東北旅も,毎年帰りに必ず大雨に降られるなぁ。


根岸先生との合流もあり,とても楽しい旅になりました。
また,第2の故郷で,のんびりと息抜きをすることができました。
さ,夏期講習後半もがんばりますよ!!


ホントは生徒さんたちも連れて行ってあげたいんですけどね。
遠いし遠いし遠いからなー。w