説明会レポートの順番が前後しますがご了承ください。

今日は東京の東久留米市にある
自由学園の説明会に参加してきました。
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自由学園は,幼稚園から大学(最高学部)までを備えた,
キリスト教(プロテスタント)の精神を基にした教育を行う学園です。
東武スカイツリーライン,JR武蔵野線,西武池袋線と乗り継ぎ,
最寄りのひばりヶ丘駅までは約80分,駅からは徒歩約5分です。

まず驚かされるのが,その広大な敷地です。
100,000平方メートル(東京ドーム約8個分)もあるキャンパスの中に,
幼稚園,初等部,中等・高等科(男子/女子部),最高学部の施設があります。
共通で使用する施設もありますが,
校舎や食堂,生徒寮など,それぞれ独自の施設を有しています。
この建物の多くは有名な建築家の手によるものだそうです。
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女子部の食堂です。↑

自然が広がったとても静かな環境にも驚きます。
何処かの広大な記念公園にでも紛れ込んでしまったかのような,
そんな錯覚を覚えるほど,草木や小川などの自然が広がっています。
池袋の少し先にこんな環境が広がっていることが信じられないほどです。
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木立や池や小川には当然のようにたくさんの生き物が住み,
生徒たちはそんな生き物たちと身近に触れ合うことが出来ます。
また,自由学園にチャイムはありません。
「時の係」と呼ばれる生徒が鐘(男子部は木の板)を鳴らして
始業と終業を知らせます。
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「いやいや,それはさすがに聞こえないだろ。」
と内心思っていたのですが,確かに聞こえてびっくりしました。
それだけ静かな環境だということですね。

そして,教育の質の高さと深さには大袈裟ではなく感激しました。
東大・京大こそないものの,国公立,早慶上理ICU,
GMARCHなど,進学実績も高いのですが,
自由学園の教育はそれだけではありません。
進学実績至上に一石を投じるような,
アンチテーゼのような教育がありました。

『子どもが集まる場所=学びだけでなく生活の場』と捉え,
大人中心の生活空間ではなく,子ども主体の空間を生んでいます。
創立者のお一人・羽仁もと子先生の
「この世の中が人生が,一番大きな教室である。」
という言葉のとおり,
寮での生活はもちろん,学校内の生活のすべてを生徒自身が管理する
『自労自治』を基本として,樹木の伐採,芝生の刈り取り,
畑・豚舎の管理,教室や寮の蛍光灯の交換まで,すべて生徒が行います。
また,収獲された食材を使用した給食(お食事と呼ばれている)の調理も
生徒たちが行っているそうです。(女子部では毎日!)
(因みに食事に使われるのはカマドと薪。薪も学園内で自給自足です。)


このように,素晴らしい環境と教育理念の中で,
「支持するに値する(Sastainableな)社会,
 本当に価値ある社会とはどのような社会か」
を批判的に問い,実現に向けて自ら行動できる力
=『良く生きる力』を養う工夫がありました。
そこには,生徒たちを信じ,肯定する大人の存在が
大きな土台となっているように感じました。


もうね,伝えたいことがあり過ぎてとっ散らかっちゃいました。
百聞は一見に如かず。
興味がある人もない人も,いや寧ろ,ない人にこそ
ぜひ見学してもらいたい学校だと感じました。


PS
男子部では入学して一番最初にすることが,
各自が6年(または3年)間使う机を作ることだそうです。
上級生にいろいろと聞きながら,組み上げられた机は,
とても頑丈でがたつきすらしませんでした。
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